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『愛をください』 by 辻仁成
10年くらい前、雑誌『Hanako』に連載されていた。連載当時のタイトルは『PS』。
『Hanako』を毎号買っているわけじゃなかったので、いつのまにか連載も終わり、その後辻仁成の名前を聞く度に「そういえばあれは単行本になってるのかな?」と気になってはいた。でもなかなか分からず。。。最近ようやくそれが『愛をください』だってことが分かった。(今頃遅いっちゅーの) ドラマにもなってたのに全然気付かなくて。。。

函館山のロープウェーで運転士をしている基次郎と東京の養護施設で育ち自殺未遂を繰り返す18歳の李理香が綴り合う全編書簡形式の小説。
同じように施設で育った基次郎が李理香の置かれた境遇を理解し励まし、救いへと導き出すまでを描いている。

拝復
長沢基次郎さま。あなたからの手紙に私はいったいどうすればいいのかわからず、最初はほったらかしていたのですが、それから数日、それを眺めては裏返し、あるいは便箋や封筒を何度もひっくりかえしたり、そしてついには再び読み直してしまい、結局自分の行動としては十八歳になる今日まで、全く理解できないことに、こうしてお返事をしたためている次第です。

(辻仁成 『愛をください』 新潮社、 2003年、 10P)


手紙の文章だけで進んでいくストーリー・・・これがなんとも言えずいいの!! 連載当時からこの書簡形式の文体が気になってしょうがなかった。

落ち込んでる人を励ます時によく「頑張って」という言葉が使われるけれど
「頑張って」よりも、、、「相手を理解し共感すること」
人にはそれが一番の慰めと励ましになるような気がする。
本を読んでなお一層そのことを感じた。

4101361290愛をください
辻 仁成
新潮社 2003-11

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